S&P 5007,209.01 +1.02%
NASDAQ24,892.31 +0.89%
日経平均59,284.92 -1.06%
SOX指数10,503.70 +2.26%
ドル円156.72 +0.10%
VIX16.89 -10.21%

ドル円156円台へ一夜で2.9円の円高進行──S&P最高値・アップル+3.7%でも東京は重い金曜日

朝倉 隼人2026年5月1日10 min read
ドル円156円台へ一夜で2.9円の円高進行──S&P最高値・アップル+3.7%でも東京は重い金曜日

サマリー: 30日(木)の米国市場はダウ+1.62%・S&P+1.02%・NASDAQ+0.89%と続伸し、S&P 500は7,209.01で終値ベースの最高値を更新した。引け後発表のアップル決算は時間外で+3.70%(281.38ドル)まで買われた一方、グーグル+9.96%とメタ-8.55%・MSFT-3.93%・エヌビディア-4.63%に決算評価が真っ二つに割れた。日本市場は前日30日(木)に-1.06%の59,284.92円で引け、ドル円は一夜で約2.9円急騰し156.62円まで円高が進んだ。本日の焦点は、アップル後場高と円急騰がぶつかる東京で半導体・自動車・アップル関連がどう振れるか、そして米雇用統計(21:30 JST)への持ち高調整である。

米国市場

30日(木)の米国株は主要3指数そろって続伸した。ダウ工業株30種は前日比+790.33ドル(+1.62%)の49,652.14ドル、S&P 500は+73.06pt(+1.02%)の7,209.01終値ベース最高値を更新、NASDAQ総合は+219.07pt(+0.89%)の24,892.31で取引を終えた。ダウのアウトパフォームが示すとおり、上昇の主役はシクリカル・バリューで、ハイテクは決算次第で銘柄選別色が濃かった。

決算反応は完全に二極化した。アルファベット(GOOGL)は+9.96%の384.80ドルと急騰し、クラウド事業の上振れと検索の堅調が好感された。一方でメタ(META)は-8.55%の611.91ドルマイクロソフト(MSFT)は-3.93%の407.78ドルエヌビディア(NVDA)は-4.63%の199.57ドルと揃って大幅安。前日引け後決算組のうちAI設備投資の負担増を市場が嫌気した銘柄に売りが集中した格好だ。アマゾン(AMZN)は+0.77%の265.06ドルで、EPSが市場予想比+69%の大幅サプライズにもかかわらず終値ベースは小幅高にとどまり、期待値の高さを裏付ける動きとなった。日中安値256.16ドル・高値273.87ドルとレンジは非常にワイドで、決算消化に時間を要した。

引け後の主役はアップル(AAPL)である。レギュラーセッションは271.35ドル(+0.44%)で消化したのち、引け後決算を受けて時間外取引で281.38ドル(+3.70%)まで急伸した。Mag7の中で唯一明確なポジティブサプライズとなり、本日の東京時間ではアップル関連サプライヤーへのポジティブ波及が見込まれる。米10年債利回りは4.42%へやや上昇、2年債は3.92%で、依然として+50bp前後の順イールドが定着しつつある。原油WTIは105ドル台で、寄りで110ドルまで買われたあと急速に巻き戻し、日中ボラは大きいまま続いている。

「決算後の反応が真っ二つ」とは?
同じ大型ハイテクでも、グーグル+9.96%とメタ-8.55%のように反応の方向と幅が大きく分かれることを指す。市場は単に「AIへの強気・弱気」で動いているのではなく、追加投資の規模収益化のスピードコアビジネスの強度を1社ごとに値踏みしている。AIテーマでも選別が入る局面に移行していることを示す典型例。

日本市場

前営業日となる30日(木)の東京市場は反落した。日経平均は前日比-632.54円(-1.06%)の59,284.92円で取引を終えた。29日(水)が昭和の日で休場だったため、米国2営業日分の値動きを一気に消化する形となり、加えてドル円の急騰(円高方向)が輸出株の重しとなった。

下げを主導したのはハイテクと輸出株だ。アドバンテスト(6857)は-5.01%の28,260円と急落し、エヌビディアの決算後の売り圧力を織り込んだ。東京エレクトロン(8035)は-1.68%の44,390円で、装置株のなかでは底堅さを保った。ソニーG(6758)は-3.74%の3,113円キーエンス(6861)は-3.39%の71,300円と値がさハイテクに広く売りが回った。輸出株ではトヨタ(7203)が-2.86%の3,023円まで下押し。為替の急変が直接ヒットした格好である。一方でファーストリテイリング(9983)は+0.57%の73,590円と逆行高。ソフトバンクG(9984)は-0.93%の5,219円と相対的に小幅安にとどまった。

注目テーマ:「アップル時間外+3.7%」と「ドル円-2.9円」の同時着弾

本日の焦点は、真逆方向に効くふたつの材料が東京市場に同時に着弾する点である。

第一の材料はアップル時間外+3.70%だ。レギュラーセッションの271.35ドルから281.38ドルまで買い直され、Mag7決算組のなかで唯一クリーンな上振れ反応となった。これは村田製作所、TDK、ソニーG(イメージセンサー)、アルプスアルパインなどアップルサプライチェーン関連にとって追い風となる。前日引けでサプライヤー株がハイテク売りに巻き込まれて下げていた分、自律反発が意識される展開となる。

第二の材料はドル円156.62円である。前日159.55円から一夜で2.9円超の円急騰は、4月を通じて続いた158〜160円のレンジを明確に下抜けした水準である。EUR/JPYも183.79円とユーロに対しても円高が進んでおり、ドル単独要因ではなく円側の買い材料で動いた可能性が高い。輸出株(自動車・電機)にとっては想定為替レート(多くの企業で145〜150円)から乖離縮小方向となるが、足元の業績インパクトとしてはマイナス寄りだ。

3点目の論点は米雇用統計である。本日21:30 JSTの米雇用統計は、4.3%の失業率水準が維持されるか、新規失業保険申請件数の189Kへの低下(前週215K)と整合する強い数字が出るかが焦点となる。強い数字が出ればドル買い戻しで157円台後半まで円安修正が入る可能性、弱い数字なら155円台までさらに円高が進むリスクがある。

想定為替レートとは?
日本の輸出企業が業績計画を立てる際に前提とする為替レート。トヨタや本田技研は1ドル145〜150円程度を想定している企業が多く、現状の156円台は想定より円安=業績にプラスだが、急激な円高方向への振れ想定との乖離縮小=想定通りの業績に近づくことを意味する。市場は想定との乖離が大きいほど業績上振れを織り込むため、円高方向の修正は株価マイナスとして効きやすい。

本日の注目イベント

  • 東京市場の寄り付き──ドル円156円台での寄り付きと59,000円の防衛
  • アップル関連株の反応──村田・TDK・ソニーGがアップル+3.7%をどこまで織り込むか
  • 半導体装置株の方向感──エヌビディア-4.63%とアルファベット+9.96%の綱引きで、アドバンテスト・東エレが分かれるか
  • 米4月雇用統計(21:30 JST)──失業率4.3%維持と新規失業保険申請189Kの整合性
  • ゴールデンウィーク前ポジション──5月3〜5日の連休前の持ち高調整

マーケットデータ

日経平均
59,285
-1.06%
S&P 500
7,209
+1.02%
NASDAQ
24,892
+0.89%
ダウ平均
49,652
+1.62%
USD/JPY
156.62
-2.93円
米10年債利回り
4.42%
+0.06pt

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

Tagsマーケット日経平均S&P500ドル円アップル決算

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