S&P 5006,816.89 -0.11%
NASDAQ22,902.90 +0.35%
日経平均56,502.77 -0.74%
SOX指数8,889.83 +2.31%
ドル円159.68 +0.27%
VIX19.23 -1.33%

最高裁が関税違憲判断、米株反発も新関税で不透明感継続 日経平均642円安

朝倉 隼人2026年2月23日4 min read
最高裁が関税違憲判断、米株反発も新関税で不透明感継続 日経平均642円安

サマリー: 米最高裁がトランプ関税を違憲と判断し米国株は反発したが、大統領は即座に別の法的根拠で10%グローバル関税を発動、週末には15%への引き上げまで表明した。日経平均は642円安。Blue Owl問題によるプライベートクレジット不安と中東リスクが重なり、連休前の東京市場は売りに押された。

米国市場

2月20日の米国市場は、最高裁の関税違憲判決を好感して主要3指数が揃って反発した。S&P 500は+0.69%の6,909、NASDAQは+0.90%の22,886、ダウは+0.47%の49,625で引けている。

この日最大のニュースは、連邦最高裁がIEEPA(国際緊急経済権限法)に基づくトランプ関税を6対3で違憲と判断したことだ。ロバーツ長官が多数意見を執筆し、「大統領が関税を課す権限はIEEPAには含まれない」と明確に線を引いた。注目すべきは、トランプ大統領が指名したゴーサッチ、バレット両判事も多数派に回った点で、党派を超えた判断となっている。

IEEPA(国際緊急経済権限法)とは?
1977年制定の米連邦法で、大統領に国家非常事態を宣言した上で国際経済取引を広範に規制する権限を付与する。トランプ大統領は2025年以降、この法律を関税発動の法的根拠として使用してきた。今回の判決は「IEEPAの権限に関税は含まれない」と最高裁が初めて明確に判断したもので、大統領の通商政策に対する司法の重要な歯止めとなる。

マーケットの反応は素直だった。関税撤廃の恩恵を受けるEC関連が軒並み上昇し、Etsyが+8.4%と急伸。Wayfair、Amazon、eBayにも買いが入った。テック系ではAlphabetが+4%超、Micron TechnologyもAIメモリ需要への期待から堅調だった。

ただし、喜びは長続きしなかった。トランプ大統領は判決直後に1974年通商法第122条を持ち出し、10%のグローバル関税に署名。さらに22日(土)には15%への引き上げを表明している。第122条に基づく関税は150日間の時限措置で、延長には議会承認が必要となる。法的根拠を変えて関税を維持するこの動きは、不透明感の払拭にはほど遠い。

通商法第122条とは?
1974年通商法の一条項で、大統領が「大規模かつ深刻な国際収支の悪化」に対処するため、最大150日間の一時的な輸入制限(関税を含む)を課すことができる。IEEPAと異なり関税権限が明文化されているが、適用条件が限定的で期限付きという制約がある。150日を超える延長には議会の承認が必要。

日本市場

日経平均は3日ぶりに反落し、前日比642円安(-1.12%)56,825円で引けた。TOPIXも-1.2%の3,805と軟調。連休前の薄商いのなか、悪材料が重なった格好だ。

下げの引き金となったのはBlue Owl Capitalの問題だ。同社がプライベートクレジットファンドの投資家償還を制限し、14億ドルの貸出資産を売却したと報じられ、プライベートクレジット市場全体に信用不安が波及した。Blue Owl株は約10%下落、Apollo、Blackstone、Aresなど同業大手にも売りが広がっている。

プライベートクレジットとは?
銀行融資や公開市場での社債発行ではなく、ファンド等が非公開で企業に直接融資する市場のこと。近年急成長し運用資産は1.5兆ドル超に達している。流動性が低いため、ファンドが投資家の解約(償還)を制限する事態が発生すると、市場全体の信用不安に直結しやすい。

もう一つの重しは地政学リスクだ。米イラン間の核交渉を巡る緊張が高まり、連休を控えたポジション整理の売りが加速した。なお、海外投資家は2月第2週まで6週連続で日本株を買い越しており、そもそも調整が入りやすい局面だったとも言える。

本日2月23日は天皇誕生日で東京市場は休場となる。

注目テーマ

最高裁 vs. 大統領──関税を巡る「いたちごっこ」の行方

今回の最高裁判決は、大統領の通商政策に対する司法の明確な歯止めとなった。しかし大統領は間髪入れず別の法的根拠で新関税を発動しており、「一つ潰されたら次の手を打つ」という構図が鮮明になっている。市場が本当に注視すべきは、150日の期限が切れる前に議会がどう動くか、そして貿易相手国が報復に出るかどうかだ。関税の法的根拠が変わっても、サプライチェーンへの影響は同じ。企業の設備投資判断や価格転嫁の動きを含め、今後数週間は実体経済への波及を丁寧に追う必要がある。

本日の注目イベント

  • 東京市場休場(天皇誕生日)
  • トランプ大統領の15%グローバル関税──詳細発表と各国の反応
  • NVIDIA決算(2月25日)を控え、AI関連銘柄のポジション調整
  • Blue Owl問題の波及範囲、プライベートクレジット市場の後続報道
  • 米イラン核交渉の進展

マーケットデータ

指標前日比
日経平均56,825-1.12%
TOPIX3,805-1.20%
S&P 5006,909+0.69%
NASDAQ22,886+0.90%
ダウ平均49,625+0.47%
USD/JPY154.29-0.87

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

Tagsマーケット日経平均S&P500関税最高裁Blue Owl

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