S&P 5006,816.89 -0.11%
NASDAQ22,902.90 +0.35%
日経平均56,502.77 -0.74%
SOX指数8,889.83 +2.31%
ドル円159.68 +0.27%
VIX19.23 -1.33%

関税15%発動で米国株全面安──AI雇用代替懸念も重なりダウ821ドル安

朝倉 隼人2026年2月24日4 min read
関税15%発動で米国株全面安──AI雇用代替懸念も重なりダウ821ドル安

サマリー: トランプ関税15%発動を受けて米国株は全面安。ダウは-821ドル、S&P 500は-1.04%と週明けから大きく崩れた。AIによる雇用代替懸念も台頭し、IBMが-13%と暴落。金は5,192ドルで最高値更新。東京は連休明けで売り先行が見込まれる。

米国市場

2月23日の米国市場は全面安。S&P 500は-1.04%6,837、NASDAQは-1.13%22,627、ダウは-821ドル(-1.66%)48,804で引けた。先週金曜に最高裁の違憲判決を好感して反発した分を、週明けで丸ごと吐き出した格好だ。

売りの主因は関税だ。週末にトランプ大統領が通商法第122条に基づく関税を10%から15%に即時引き上げを表明。EU議会は米国との貿易協定の批准手続きを一時停止し、国際的な摩擦が拡大している。

通商法第122条とは?
1974年通商法の一条項で、大統領が「大規模かつ深刻な国際収支の悪化」に対処するため、最大150日間の一時的な輸入制限(関税を含む)を課すことができる。IEEPAと異なり関税権限が明文化されているが、適用条件が限定的で期限付きという制約がある。150日を超える延長には議会の承認が必要。

個別ではAI関連の売りが際立った。Anthropicの新コーディングツール発表を受けIBMが-13.1%と暴落。AI大量失業リスクを警告するレポートを契機にアメリカン・エキスプレスも-7.2%と急落した。

安全資産へのシフトは鮮明で、金は5,192ドルに急伸、銀も88ドルに迫った。ビットコインは逆に約1,965ドル下落し65,654ドル。リスク資産からの資金流出が続いている。

リスクオフとは?
投資家がリスクの高い資産(株式、暗号資産など)を売り、安全資産(金、国債、現金など)に資金を移す動き。地政学リスクや景気後退懸念が高まると発生しやすい。逆に楽観ムードで株式等に資金が向かう状態を「リスクオン」と呼ぶ。

日本市場

直近の取引は2月20日(23日は天皇誕生日で休場)。日経平均は56,825円(-642円、-1.12%)、TOPIXは3,808(-1.13%)。Blue Owl問題やイラン情勢を背景に、連休前から売りが優勢だった。

本日24日に3連休明けの取引が再開する。23日の米国株全面安を受けて売り先行が想定されるが、20日の段階で大きく調整済みのため下値は限定的との見方もある。NVIDIA決算(25日)を控え、半導体関連のポジション調整が焦点になる。

注目テーマ

AIが「雇用を奪う」フェーズへ──テック株の新たな選別圧力

これまでAIは「生産性向上」のポジティブな文脈で株価を押し上げてきた。しかし23日はAIが既存雇用を直接代替するリスクが売り材料として浮上した。IBMの急落はITサービス企業が開発内製化で市場を失うシナリオの織り込みであり、AmExの下落はAI自動化による金融人員削減への懸念だ。AI革命の恩恵を受ける銘柄と、ディスラプションの犠牲になる銘柄──この選別が一段と厳しくなる局面に入っている。

ディスラプション(破壊的変革)とは?
既存のビジネスモデルや業界構造を根本から覆す技術革新のこと。AIの場合、生産性向上で恩恵を受ける企業がある一方、既存サービスが代替されて市場を失う企業も出る。同じ「AI関連銘柄」でも勝者と敗者が分かれるため、投資判断ではこの選別眼が重要になる。

本日の注目イベント

  • 東京市場3連休明け──米国株安の織り込み度合い
  • NVIDIA決算(25日)前のポジション調整
  • トランプ関税15%に対する各国の報復措置の動向
  • EU貿易協定批准停止の波及
  • 金5,000ドル超の持続性とリスクオフの深度

マーケットデータ

指標前日比
日経平均56,825-1.12%
TOPIX3,808-1.13%
S&P 5006,837-1.04%
NASDAQ22,627-1.13%
ダウ平均48,804-1.66%
USD/JPY154.57-0.59

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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