サマリー: 週末に米国・イスラエルがイランへの大規模軍事攻撃を開始し、ハメネイ最高指導者の死亡が伝わった。週明け2日の東京市場は地政学リスクを嫌気して日経平均が-1,300円超の急落。原油先物は前週末比+7%、金先物は+2.8%と安全資産に資金が殺到している。
米国市場
先週末27日のNY市場は3指数そろって下落した。ダウは 48,978(-1.05%)、S&P 500は 6,879(-0.43%)、NASDAQは 22,668(-0.92%)。前日に続きソフトウェア銘柄が重荷となったほか、トランプ大統領が最高裁の関税違憲判決を受けて通商法122条を根拠に全世界一律関税を10%から15%へ引き上げたことが投資家心理を冷やした。
VIXは19.86と警戒水準に接近。週間ではS&P 500が約-1.0%、NASDAQが約-1.4%と軟調な週だった。
なお週末28日〜3月1日にかけて、米国・イスラエルがイランの核関連施設・軍事拠点への大規模攻撃を実施。イランの最高指導者ハメネイ師の死亡が報じられ、イラン側も周辺国の米軍基地やイスラエルへの報復攻撃に踏み切っている。日曜夜の米先物市場ではダウ先物が-571ポイント(-1.2%)、S&P先物が-1.0%、NASDAQ先物が-1.0%超と大幅安で推移しており、週明け月曜日の米国市場も荒れた展開が予想される。
日本市場
2日の東京市場は中東情勢の激変を受けてリスクオフ一色の寄り付きとなった。日経平均は 57,976円 で始まり、9時30分過ぎには 57,478円(前日終値比 -1,372円、-2.33%)まで下落。10時時点では 57,540円 付近で推移している。
先週26日に記録した史上最高値 59,332円 からわずか3営業日で 1,800円近い下落 となり、年初来の上昇トレンドに急ブレーキがかかった形だ。全面安の展開で、特にエネルギー輸入コスト増が懸念される内需株や、地政学リスクに敏感な半導体関連が売り込まれている。
注目テーマ
中東危機と原油急騰──ホルムズ海峡リスクの現実味
今回の軍事衝突で市場が最も警戒しているのはホルムズ海峡の封鎖リスクだ。世界の石油輸送の約20%がこの海峡を通過しており、仮にイランが報復として海峡封鎖に踏み切れば、原油価格は100ドル超への急騰もあり得る(ゴールドマン・サックスの試算)。
WTI原油先物は週末取引で $71.74(前週末比 +$4.72、+7.0%)に急騰し、一時 $75.33 まで上昇する場面もあった。ブレント原油も $78.26 まで上昇。金先物は $5,378(+2.8%)と安全資産への逃避が鮮明だ。
紛争が短期間で収束すれば市場の混乱は一時的なものにとどまるとの見方もあるが、3〜5週間の長期化シナリオではさらなる株安・原油高が避けられないとアナリストは指摘している。
本日の注目イベント
- 中東情勢の続報 ── イランの報復規模と米国の追加攻撃の有無が最大の焦点
- 米ISM製造業景況指数(2月) ── 本日夜発表。製造業の景況感と関税影響を確認
- ブロードコム決算(3/4) ── 今週の大型テック決算。AI半導体需要の持続力を計る
- 米2月雇用統計(3/7・金曜) ── 今週最大のマクロイベント。労働市場の底堅さを確認
- 原油価格の推移 ── ホルムズ海峡リスクの織り込み度合いに注目
マーケットデータ
| 指標 | 値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 57,540 | -2.23% |
| S&P 500 | 6,879 | -0.43% |
| NASDAQ | 22,668 | -0.92% |
| ダウ平均 | 48,978 | -1.05% |
| USD/JPY | 156.52 | +0.66 |
| WTI原油 | $71.74 | +7.0% |
| 金先物 | $5,378 | +2.8% |
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
