S&P 5006,816.89 -0.11%
NASDAQ22,902.90 +0.35%
日経平均56,502.77 -0.74%
SOX指数8,889.83 +2.31%
ドル円159.65 +0.25%
VIX21.24 +10.45%

日経平均1778円安・年初来最大の下落——ホルムズ海峡封鎖ショック、ダウ一時1200ドル超安

朝倉 隼人2026年3月4日6 min read
日経平均1778円安・年初来最大の下落——ホルムズ海峡封鎖ショック、ダウ一時1200ドル超安

サマリー: ホルムズ海峡の事実上の封鎖を受け原油価格が急騰、3日の日経平均は前日比1,778円安(-3.06%)と年初来最大の下落を記録した。米国市場もダウが一時1,200ドル超の急落を見せたが、トランプ大統領の「海峡護衛」発言を受け下げ幅を大きく圧縮して引けた。VIXは一時28.15まで跳ね上がり、リスクオフの空気が世界市場を覆った。

米国市場

3日(火)のニューヨーク市場は、中東情勢の緊迫化を嫌気して急落の後、後半に切り返す荒い展開となった。S&P 500は6,816.63(前日比-0.94%)NASDAQは22,516.69(-1.02%)ダウ平均は48,501.27(-0.83%、-403ドル)で取引を終了。

場中はダウが一時1,200ドル超安(-2.6%)、S&P 500も-2.5%まで売り込まれる場面があった。転機はトランプ大統領のTruth Social投稿。「米海軍がホルムズ海峡でタンカーを護衛する」「世界へのエネルギーの自由な流れを保証する」と宣言したことで、原油の上値が抑えられ、株式にも買い戻しが入った。

セクター別では明暗がくっきり分かれた。エネルギー株が急伸——Exxon Mobil、Chevronが約+4%、ConocoPhillipsは+5%超。防衛株も買いが集まり、Northrop Grumman +6%、RTX +4.7%、Lockheed Martin +3.4%。一方、航空株は原油高を直撃し、American Airlines -4.2%、Delta -2.2%、United -2.9%と軒並み下落した。

テック大手はまちまち。Microsoft(MSFT)が+1.24%(403.93ドル)と逆行高した一方、NVIDIA(NVDA)は-1.53%(180.05ドル)と反落。地政学リスク局面ではグロース株から資金が抜けやすい典型的なパターンだ。

米10年債利回りは4.05%と前週末の3.97%から上昇。原油高→インフレ再加速の連想から債券も売られた。

ホルムズ海峡とは?
ペルシャ湾とオマーン湾を結ぶ幅約33kmの海峡。世界の石油輸送量の約20%がここを通過する。イランのIRGC(革命防衛隊)が3月2日に封鎖を宣言し、実際にタンカー通行がほぼ停止している。

日本市場

3日(月)の東京市場は全面安。日経平均は56,279.05円(前日比-1,778.19円、-3.06%)と急落し、下落幅は年初来最大。2025年4月の相互関税ショック(-2,644円)以来の大きさとなった。TOPIX(ETF参考値 1306.T)も3,959円(-3.30%)と連動して大きく下げた。

ホルムズ海峡封鎖による原油高が、輸入コスト増加→企業収益圧迫→消費冷え込みという連鎖を想起させ、幅広い業種が売りに押された。小売株ではイオン、セブン&アイ、高島屋などが下落。原油高が消費者心理を冷やすとの懸念が重しとなった。

USD/JPYは157.49円(前日比+0.86円)とドル高・円安方向に振れた。通常の地政学リスク局面では円が買われやすいが、今回は原油高→日本の貿易赤字拡大を意識した円売りが上回った形だ。

注目テーマ

ホルムズ海峡危機——原油は「有事プレミアム」を織り込む段階へ

WTI原油は3日終値で74.86ドル。先週末(2/27)の67.02ドルから約12%の急騰となった。場中には一時77.98ドルまで上昇。Brent原油も82.09ドルと、85ドル台まで迫る場面があった。

問題はこの危機が短期で収束するかどうかだ。IRGCは3月2日に海峡封鎖を正式宣言し、「進入する船舶は攻撃対象」と警告。実際に3月1〜2日はタンカー通行がほぼゼロとなった。トランプ大統領は海軍による護衛を示唆したが、イランとの軍事衝突がさらにエスカレートするリスクもある。アナリストの間では、封鎖が長期化すれば原油100ドル超のシナリオも浮上している。

VIX(恐怖指数)は一時28.15まで急上昇した後、23.57で引けた。市場が「恐怖」から「消化」のフェーズに移行しつつあるサインだが、地政学イベントは予測困難であり、ボラティリティの高止まりは続くだろう。

VIX(恐怖指数)とは?
S&P 500のオプション価格から算出される、今後30日間の市場変動予想値。数値が高いほど投資家の不安が強いことを示す。通常は15〜20が平常時、30超は「危機モード」とされる。

本日の注目イベント

  • ホルムズ海峡情勢の続報——米海軍の護衛艦派遣の具体的動向
  • WTI原油の値動き(75ドル台を維持するか、80ドルを再び試すか)
  • 日本市場:前日の急落を受けた自律反発の有無
  • 米 ISM非製造業景況指数(2月)発表予定
  • SEC開示:Amazon 8-K(2/27提出)、NVIDIA 8-K(2/25提出)の内容精査

マーケットデータ

指標前日比
日経平均56,279.05-3.06%
TOPIX(ETF参考)3,959-3.30%
S&P 5006,816.63-0.94%
NASDAQ22,516.69-1.02%
ダウ平均48,501.27-0.83%
USD/JPY157.49+0.86
WTI原油74.86+5.10%
VIX23.57

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

Tagsマーケット日経平均S&P500原油ホルムズ海峡中東

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