サマリー: 日経平均は4日ぶりに反発し+1,033円(+1.90%)の5万5,278円。前日までの急落に対する自律反発が入った。一方、米国市場はダウが-785ドル(-1.61%)と急落。関税発動の実体経済への影響が意識され始めている。
米国市場
5日のニューヨーク市場は前日の反発ムードが一転、ダウを中心に売りが広がった。ダウは47,955(-785ドル、-1.61%)と3月に入って最大の下げ幅を記録。S&P 500は6,831(-0.56%)、NASDAQは22,749(-0.26%)と相対的に小幅安にとどまった。
売りの主因は関税の実体経済への波及懸念だ。3月4日に発効した対カナダ関税(25%)と対中追加関税(10%上乗せ)を受け、サプライチェーンへの影響が具体的に意識され始めた。とくに素材・資本財セクターの下げが目立ち、ダウ構成銘柄の中でも製造業系が売り込まれた形だ。
米10年債利回りは4.09%(+0.03%)に上昇。関税によるコスト増→インフレ長期化の連想が債券市場の売り圧力を強めている。FF金利は3.64%で据え置きだが、市場は利下げペースの鈍化を織り込みつつある。
日本市場
5日の東京市場は4日ぶりの反発となった。日経平均は55,278円(前日比+1,033円、+1.90%)。前日の米国市場がリリーフラリーで反発していたことを受け、寄り付きから買い戻しが先行した。TOPIX(1306.T基準)も+1.75%と連動して上昇。
ただし、反発の勢いは力強いとは言いがたい。3営業日で4,600円超を失った後の1,033円戻しは、下落幅の約22%にすぎない。売買代金も前日の急落時に比べて減少しており、積極的な押し目買いというよりも空売りの買い戻しが中心だったとみられる。
セクター別では、前日に叩き売られた半導体関連や自動車株に買い戻しが入った。一方、原油高の恩恵を受けるエネルギー関連は引き続き堅調で、ホルムズ海峡リスクが市場のテーマとして定着した感がある。
USD/JPYは157.56円(前日比-0.22円)と小動き。米長期金利上昇のドル高圧力と、リスクオフの円高圧力が拮抗した格好だ。
注目テーマ
ダウ急落が示す「関税ショック第2波」の始まり
前日のリリーフラリーからわずか1日でダウが785ドル下落したことは、市場の脆さを浮き彫りにしている。注目すべきは下落の質だ。
3月初めの急落は中東リスクが主因で、エネルギー価格上昇を起点とした「外部ショック型」だった。しかし5日の下落は、関税発動後の企業のコスト増・サプライチェーン混乱という「政策発の実体経済リスク」が前面に出た。ダウがS&P 500やNASDAQより大きく下げたのは、製造業・素材・小売など関税の影響を直接受けるオールドエコノミー企業の比重が高いためだ。
ゴールドマン・サックスが5日に8-K(臨時報告書)を提出しており、市場では内容への関心が高まっている。4月2日には自動車関税の免除期限も控えており、関税を巡る不透明感は当面続きそうだ。
本日の注目イベント
- 日本市場の続伸可否——米ダウ急落を受けて反発が腰折れするリスク。寄り付きの気配値に注目
- 米2月雇用統計(3/7発表)前の思惑——明日の雇用統計を前にポジション調整が入る可能性
- ホルムズ海峡情勢——原油価格の動向と米海軍の護衛活動の進展
- 関税影響の企業コメント——決算シーズン外でも8-Kやプレスリリースで関税影響に言及する企業が増加中
- 米10年債利回り——4.09%からさらに上昇するか。4.15%が次の節目
マーケットデータ
| 指標 | 値 | 前日比 |
|---|---|---|
| 日経平均 | 55,278 | +1.90% |
| TOPIX(ETF基準) | 3,885 | +1.75% |
| S&P 500 | 6,831 | -0.56% |
| NASDAQ | 22,749 | -0.26% |
| ダウ平均 | 47,955 | -1.61% |
| USD/JPY | 157.56 | -0.22 |
| 米10年債利回り | 4.09% | +0.03 |
| FF金利 | 3.64% | — |
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
