サマリー: ダウとナスダックが同時に「調整」局面入り。イラン情勢の激化でブレント原油は105ドル台に急騰し、スタグフレーション懸念が米国市場を直撃した。S&P 500は5週連続安と2022年以来最長の下落記録。日経平均は一時1,000円超安も、配当権利確定の買いで下げ幅を縮小した。
米国市場
先週末27日の米国市場は全面安。S&P 500は前日比-1.67%の6,368で引け、これで5週連続の下落――2022年以来最長の連続安となった。ナスダック総合は-2.15%の20,948で、直近高値からの下落率が10%を超え、正式に「調整(コレクション)」入りを確認。ダウ平均も-793ドル(-1.73%)の45,166で、こちらも調整局面に突入した。
売りの直接的なトリガーは原油価格の急騰である。イラン情勢の一段の緊迫化を受け、ブレント原油は一時107ドル台に達し、終値は105.32ドル。WTI原油も99.64ドルと100ドルの大台目前まで迫った。エネルギーコスト上昇が企業収益と消費を圧迫するとの見方が広がり、リスク資産から資金が流出した。
恐怖指数VIXは31.05と30の節目を突破。安全資産への逃避で金は4,524ドルの高水準を記録し、米10年債利回りは4.42%に上昇した。
日本市場
27日の東京市場で日経平均は前日比230円安(-0.43%)の53,373円で続落した。前日の米半導体株安を受けて朝方から売りが先行し、一時は下げ幅が1,000円を超える場面もあった。
ただし、27日は3月末の権利付き最終売買日にあたり、配当や株主優待の権利取り狙いの買いが入ったことで、大引けにかけて下げ幅を大きく縮小した。TOPIXはほぼ横ばいの3,827で取引を終え、高配当銘柄を中心に底堅さを見せた。
ドル円は週末にかけて160.30円まで円安が進行。原油高による日本の貿易赤字拡大懸念が円売り圧力となっている。
注目テーマ
イラン情勢と「原油100ドル時代」のリスク
市場が最も警戒しているのは、ホルムズ海峡の封鎖リスクである。世界の石油輸送量の約2割が通過するこの海峡が長期間閉鎖されれば、原油価格はさらに急騰する可能性がある。ブレント原油は2月末の水準から約36%上昇しており、業界関係者の間では「1〜3週間以内にホルムズ海峡が再開されなければ、経済・市場への影響は急速に深刻化する」との見方が広がっている。
原油高の波及経路は明確である。ガソリン価格の上昇が米国の消費者の購買力を削ぎ、企業のコスト増が利益率を圧迫する。27日には米10年債利回りが4.42%と2025年7月以来の高水準に達し、インフレ再燃と景気減速が同時進行するスタグフレーションのシナリオが意識され始めている。
トランプ大統領はイランに対する期限を延長したが、市場の反応は冷淡だった。投資家は口先ではなく、実際の停戦と海上輸送の正常化を求めている。
本日の注目イベント
- 3月雇用統計(4/3金曜発表)に向けた週: 市場予想は+57,000人(前月-92,000人)。ただし発表日はグッドフライデーで米市場休場
- 原油動向: ホルムズ海峡の状況次第でボラティリティ継続
- 3月期末のリバランス: 機関投資家のポートフォリオ調整が月初にかけて活発化する見通し
- 相互関税の発動(4/2水曜): トランプ政権が予告してきた相互関税がいよいよ発動予定。対象国・税率の最終確認と市場への影響が今週最大の焦点
- FOMC議事要旨(4/2水曜): 3月会合の詳細が公開予定。インフレ見通しへの言及に注目。相互関税と同日で市場のボラティリティ拡大に警戒
- 権利落ち後の日本市場: 配当落ち分(推定約300円)を埋められるかが焦点
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
