サマリー: 「相互関税」発動前夜の3月31日、米国株3指数が揃って急反発。S&P 500は+2.91%、NASDAQは+3.83%と今年最大の上げ幅を記録した。一方、日経平均は-1.58%の51,063円と逆行安で、日米の明暗が鮮明に分かれた。VIXは31→25に急低下したが、明日4月2日の関税発動を控えた「嵐の前の静けさ」にすぎない可能性がある。
米国市場
3月31日の米国市場は全面高。S&P 500は+2.91%の6,528で引け、5週連続安を記録した直近の下落トレンドに歯止めをかけた。NASDAQは+3.83%の21,590と今年最大の日次上昇幅、ダウは+1,125ドル(+2.49%)の46,341と1,000ドル超の上げ幅となった。
買いの背景は複合的である。第一に、Q1最終営業日のリバランス。年金基金やバランスファンドが株式比率の調整を行い、3月の急落で低下したウェイトを埋める買いが入った。第二に、ショートカバー。VIXが31から25.25へ急低下したことが示すとおり、ヘッジポジションの巻き戻しが加速した。第三に、原油価格の反落。WTI原油は寄り付き105ドルから101.56ドルまで下落し、先週来のスタグフレーション懸念がやや後退した。
ただし、金価格は4,699ドルと過去最高値圏を更新しており、リスク資産の楽観とは裏腹に安全資産への資金流入も止まっていない。米10年債利回りは4.35%に低下(前日4.44%)。債券市場は株式市場ほど楽観的ではない。
日本市場
3月31日の東京市場は軟調。日経平均は前日比-822円(-1.58%)の51,063円で取引を終えた。前日の米国株安(3月30日のS&P 500 -0.39%)の流れを引き継いで売りが先行し、一時は50,558円と5万円台の攻防を演じる場面もあった。
TOPIXも-1.3%の約3,714まで下落。3月27日時点の3,827からわずか2営業日で113ポイント(-3.0%)を失った計算になる。
注目すべきは日米市場の明確な乖離である。米国が四半期末の買いで急反発した一方、日本は配当落ちと円高進行のダブルパンチを浴びた。ドル円は160.23円→158.67円と1円56銭の大幅な円高が進行。輸出企業の採算悪化懸念に加え、四半期末の本国送金(レパトリ)による円買いが重なったとみられる。
注目テーマ
「相互関税」発動まであと24時間──市場は織り込み済みか
明日4月2日、トランプ政権が予告してきた相互関税(Reciprocal Tariffs)がいよいよ発動する。先週発表された自動車関税25%に加え、貿易赤字の大きい国・地域に対して個別の関税率が課される見通しだ。
市場の最大の関心は税率の水準と対象範囲にある。事前報道では「10〜20%の一律関税」から「国別に最大50%」まで幅広い観測が流れており、不確実性が極めて高い。3月31日の米国株急反発は、「最悪シナリオは回避される」という楽観に基づいている可能性があるが、蓋を開けてみるまでわからない。
同日にはFOMC議事要旨(3月会合分)も公開される。FF金利は3.64%で据え置かれているが、関税によるインフレ再燃リスクがFRBの利下げシナリオにどう影響するかが焦点となる。関税とFOMC議事要旨が同日にぶつかることで、4月2日は今年最大のボラティリティ・イベントとなる可能性がある。
本日の注目イベント
- 相互関税の最終確認(明日4/2発動): 対象国・税率の詳細発表が今夜〜明朝に予想される
- FOMC議事要旨(4/2公開): インフレ見通しと利下げ議論の温度感に注目
- ISM製造業景気指数(4/1発表): 3月分。関税の影響が製造業マインドに出始めているか
- 日経平均の反発余地: 米国株+2.9%を受けて、配当落ち分+米国高のギャップアップが期待される
- ドル円の行方: 158円台の円高が定着するか、年度替わりでリバウンドするか
本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。
