サマリー: 相互関税の発動を通過し、S&P 500は週間+3.4%のリリーフラリーを記録。VIXは23.87まで低下し、恐怖のピークは過ぎたように見える。だが米10年債利回りは4.31%へ急低下しており、債券市場は景気減速を織り込み始めている。週明けの焦点は「関税の実体経済への波及」だ。
米国市場
先週最終取引日の4月2日(木)、米国市場はまちまちの動き。S&P 500は+0.11%の6,582、NASDAQは+0.18%の21,879とほぼ横ばいで引け、ダウは-61ドル(-0.13%)の46,504と小幅安だった。4月3日(金)はグッドフライデーで米市場は休場。
注目すべきは週間パフォーマンスだ。S&P 500は前週末の6,368から+3.4%、NASDAQは20,948から+4.4%と、3月最終週の急落を力強く取り戻した。ダウも45,166から+3.0%の上昇。VIXは週初の30.6から23.87まで一気に低下し、市場のパニックは急速に後退した。
4月2日の「解放の日」に発動された相互関税の詳細が市場引け後に公表されたが、事前に警戒されていた最悪シナリオ(全品目一律25%)は回避された模様だ。翌日の東京市場が反発して引けたことが、その傍証となる。
日本市場
4月3日(金)の東京市場は反発。日経平均は前日比+660円(+1.26%)の53,123円で引けた。前日2日は関税発動前の警戒感から-2.37%と急落していたが、実際の発動内容が「想定内」にとどまったことで買い戻しが入った。
TOPIXは+0.9%の約3,866。半導体関連と自動車セクターが買いを牽引した。特にトヨタ自動車は対日自動車関税が事前報道の水準から据え置かれたとの観測で上昇。東京エレクトロンも米国のAI投資拡大期待で堅調だった。
もっとも、日経平均の週間推移は荒い。3月30日に51,885円まで沈んだ後、4月1日に53,739円へ急騰し、2日に52,463円へ反落、3日に53,123円で着地。上下2,000円超のレンジで振り回された1週間だった。
注目テーマ
米10年債4.31%──株はラリー、債券は警告を発している
先週の株式市場はリリーフラリーで沸いたが、債券市場は正反対のシグナルを出している。米10年債利回りは3月27日の4.44%から4月2日の4.31%へ、わずか1週間で13ベーシスポイント低下した。
株が買われ、債券も買われる(利回り低下)という矛盾した動きの背景には、2つの解釈がある。第一に、関税による景気減速リスクを債券市場が先行して織り込み始めていること。第二に、景気悪化が顕在化すればFRBが利下げに動くとの期待が高まっていること。
FF金利は3.64%で据え置かれているが、先物市場では年後半の追加利下げ確率が先週比で上昇している。問題は、関税がインフレを押し上げる場合、FRBは「景気を支えたいがインフレも抑えたい」という板挟みに陥ることだ。
USD/JPYは159.55円と先週の158円台から約1円の円安が進行。関税の影響で日本の対米輸出が減少するとの見方が円売り要因になっているほか、ドル金利の先高観も根強い。財務省の口先介入が続いているが、実弾介入のトリガーラインとされる160円が目前に迫っている。
本日の注目イベント
- 相互関税の市場反応: グッドフライデー明けの米国市場が関税詳細をどう消化するか。先週木曜の「無反応」が本物かどうかが試される
- ISM非製造業景況指数: サービス業の景況感が関税不安で悪化しているかに注目
- FRB高官発言: 複数の地区連銀総裁が講演予定。関税インフレへの見解がポイント
- 日経平均: 先週の乱高下を経て53,000円台を固められるか。週初のギャップに注意
- USD/JPY 160円ライン: 介入警戒の節目。財務省の動向を注視
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