S&P 5006,816.89 -0.11%
NASDAQ22,902.90 +0.35%
日経平均56,502.77 -0.74%
SOX指数8,889.83 +2.31%
ドル円159.59 +0.21%
VIX21.16 +10.04%

週間レビュー 2026年3月14日:原油急落・CPIショック・SQ通過──日経平均3週連続安、乱高下の1週間を総括

朝倉 隼人2026年3月14日8 min read
週間レビュー 2026年3月14日:原油急落・CPIショック・SQ通過──日経平均3週連続安、乱高下の1週間を総括

サマリー: 日経平均は週間-3.2%で3週連続下落、2月高値から8.5%を失った。原油急落・CPIショック・関税の三重波が市場を揺さぶり、日中値幅2,000円超の乱高下が常態化。来週のFOMCが次の方向感を決める。

今週のハイライト

1. 日経平均、1週間で上下5,000円の乱高下 月曜に-2,892円(-5.20%)の暴落、火曜に+1,519円(+2.88%)の急反発、木曜に-1,256円(-2.28%)の再下落──わずか4営業日で上下5,000円超という異常なボラティリティを記録した。3月限メジャーSQを控えた先物主導の需給が振幅を増幅させた。

2. 原油、2日で20ドル急落 トランプ大統領が「イラン戦争はほぼ終わった」と発言したことで、WTI原油は100ドル超から一気に83ドル台へ急落。G7の備蓄放出検討も加わり、わずか2日で15%超の暴落となった。ただしホルムズ海峡の正常化は未確認で、リスクプレミアムの完全剥落には至っていない。

3. 2月CPI上振れ、インフレ粘着性が浮き彫りに 12日発表の米2月CPIは前月比+0.27%と1月の+0.17%から加速。関税による輸入品の価格転嫁が顕在化し始めており、FRBの追加利下げ期待が大きく後退した。米10年債利回りは4.27%まで上昇し、グロース株への逆風が強まった。

日本市場の1週間

日経平均は週間で55,620円→53,820円-3.2%)と3週連続の下落。2月27日の高値58,850円からは-8.5%を失い、調整局面が深まっている。

月曜の暴落は衝撃的だった。寄り付き54,608円から一時51,407円まで急落し、日中の下落幅は3,200円超。ソフトバンクG(-9.8%)、東京エレクトロン(-6.9%)など主力株が軒並み売られ、ヘッジファンドの先物売りが相場を押し下げた。

火曜はトランプ発言による原油急落を好感して+1,519円の反発を見せたが、半値戻しにも届かず。木曜にはCPIショックで米国株が全面安となり、日経平均も53,768円まで再下落した。金曜はメジャーSQ算出日で、先物・オプションの期日通過を迎えた。

TOPIX連動ETF(1306.T)は週末時点で3,809円。週初の急落・反発・再下落という値動きはTOPIXも同様で、東証全体が外部ショックに翻弄された1週間だった。

メジャーSQとは?
3・6・9・12月の第2金曜日に行われる株価指数先物とオプションの同時決済日。大量の建玉が精算されるため出来高が膨らみ、相場が大きく動きやすい。SQ通過後は需給要因が一巡し、新たなトレンドが出やすくなる。

米国市場の1週間

S&P 500は6,740→6,632-1.6%)、NASDAQは22,387→22,105-1.3%)、ダウは47,501→46,558-2.0%)と3指数そろって下落。S&P 500は4週連続の下落で、2月高値から-4.0%を失った。

週前半は原油急落を好感してやや落ち着いた展開だったが、12日の2月CPI発表がすべてを変えた。インフレの再加速が確認されたことで、S&P 500は-1.5%、ダウは-740ドルの急落。NVIDIA(-1.5%)、テスラ(-3.1%)と大型テック株が軒並み売られた。

米10年債利回りは週初の4.12%から4.27%15bp上昇。FF金利(3.64%)との間で長短金利差が拡大する「ベアスティープニング」が進行しており、高バリュエーションのグロース株が特に売られやすい環境が続いている。

ベアスティープニングとは?
長期金利が短期金利より速く上昇し、イールドカーブが急勾配になる現象。インフレ期待の上昇や財政赤字の拡大を反映することが多く、株式市場にとっては逆風のシグナルとされる。

セクター動向

今週は原油急落とCPI上振れという2つの大きなショックが、セクター間の明暗を鮮明にした。

逆風を受けたセクター:

  • エネルギー: 原油20ドル急落の直撃を受け、商社株・石油関連が大幅安。ただしホルムズ海峡の正常化が確認されなければ再反発の余地も
  • テクノロジー: 金利上昇でバリュエーション調整が継続。東京エレクトロン、NVIDIA、テスラが軒並み下落
  • 自動車: トランプ関税(対カナダ25%)とエネルギーコスト高の二重苦。トヨタは週間で下落基調

相対的に底堅かったセクター:

  • 航空・化学: 原油急落の恩恵を受けたセクター。燃料コスト低下と原材料コスト改善の期待
  • ヘルスケア・公益: リスクオフ環境下でディフェンシブ銘柄に資金が退避。ただし先週の分析(「崩れるディフェンシブ神話」)で指摘した通り、関税インフレが長引けばディフェンシブ銘柄も無傷ではいられない

来週の展望

  • FOMC(3月18〜19日): 今週のCPI上振れを受け、パウエル議長のタカ派姿勢が強まるか。ドットプロット(金利見通し)の変化に注目。利下げ見通しの後退が確認されれば、株式市場にさらなる下押し圧力
  • 日本・春闘集中回答日(3月18日): 大企業の賃上げ率が焦点。高い賃上げ率なら日銀の4月追加利上げ観測が強まり、円高→日経平均への下押しリスク
  • 米小売売上高(3月17日): 消費者のセンチメント悪化がデータに表れるか。ガソリン価格上昇と消費者信頼感の低下が確認されればスタグフレーション懸念が再燃
  • 原油動向: ホルムズ海峡の通行正常化が確認されるか。トランプ発言の実効性が試される
  • 日経平均のSQ通過後の方向感: SQ通過で需給要因が一巡。53,000円台を維持できるか、5万円の心理的節目を試す展開となるか
日経平均
53,820
-3.2%
TOPIX
3,809
-2.8%
S&P 500
6,632
-1.6%
NASDAQ
22,105
-1.3%
ダウ平均
46,558
-2.0%
USD/JPY
159.72
+2.09

本記事は情報提供を目的としており、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。投資判断はご自身の責任でお願いいたします。

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